[映画]「フランス映画の秘宝」@有楽町朝日ホール

ジャン・グレミヨン「曳き船」Les Remorques
ディアローグにプレヴェール。グレミヨンで舞台はブレスト、海と嵐と謎めいた美女、というだけでとにかくすばらしい思わずにはいられない。冒頭の結婚式の会場からカメラが引いていって、救難信号を伝えるバイクがやってくるところからうわーっとなってしまう。嵐とともに現れて去ってゆくミシェル・モルガンがすばらしく美しかった。しかも、この物語の厚みで90分弱とは...
エリック・ロメール「三重スパイ」Le triple agent
スパイ映画と思いきや、ほとんど室内劇でびっくり。ニュース映画で時代背景を見せ、会話で事件の輪郭を描き出す。歴史のうねりと矛盾を体現しているような三重スパイ(でも本当はどこに与しているのか...)のセルジュ・レンコがすごくよかった。Elle est morte !と刑事と協会のロシア人が声をあわせるラストもよい。元ネタの事件について猛烈に知りたくて調べてみるとセルジュ・レンコのサイトに簡潔な説明が。ふーん。
http://sergerenko.com/cinema/tripleagent_suite2.htm
ジャック・ベッケル最後の切り札」Le dernier atout
エドワールとキャロリーヌ」の溌剌とした愛らしさと「穴」のサスペンスを同時に堪能できるような長編第一作。何よりもピエール・ルノワールに釘付け。本当にすごい顔つきだ...