新潮文庫で「移動祝祭日」。その流れでウィリアム・ワイザーの「祝祭と狂乱の日々1920年代パリ」を本棚から引っ張り出して読み、ジャネット・フラナーの「パリ点描1925-1939」を読む。「移動祝祭日」にはマッチョなロマンティズムを感じてしまうのだけれど、随所に出てくる伝説的な名前と、そこここに活写されるパリという都市の様相が、やはりこの本を魅力的にしているのだと思いながら読む。自転車レースについて語るところは素晴らしい。あとはやはりフィッツジェラルドヘミングウェイよりはフィッツジェラルドを読みたいと思わせる。「祝祭と〜」に出てくる人たちのなかでも、ハリー&カレス・クロスビー夫妻が気になる。カレスに改名って。フラナーの本ではパリのアメリカ人の動静のみならず、パパン姉妹事件やヴァイドマン事件の詳細が書かれていて(これがリアルタイムのニュースなんて!)うれしい一冊。