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メモがわりに。貸していただいた本多く、感謝。

  • ロス・マクドナルド「運命」→薄ら寒くも悲しい話。リュウ・アーチャーのキャラが若干バカボイルドになっているのは翻訳の違い?
  • 連城三紀彦「敗北への凱旋」→驚いた!大がかり!「私という名の変奏曲」→確かにジャブリソのようだ。タイトルもトーンも。
  • 「ロシア短編集」(国書刊行会)→”或るひとつの恐ろしい影が彼らの魂を遅い、かつての馴染んだ世界に全くあたらしい相貌を与えてしまったのです(「ラザロ」)”。「鰐」はパサージュでの出来事というところに興味、「イヴァン・イリイチの死」はこんなにドロドロと死の匂いのする話だったとは!と驚く。中学校とかで読むときには醜悪な官僚社会の欺瞞・下男との心の通い合い・死の間際に光を見いだす、みたいな解釈をされてたなあ。
  • 安藤昇「激動・血塗られた半生」→ちょっと前に神保町で初版本(本人の顔を配した装丁がとてもイケている。解説によると本人がデザインしたとか)が3.000円というのに大分悩んだのですが、区立図書館に文庫版がありました。内容はどうということもなく、文体がなんだか自分語りだけどちょっと視点がずれてるみたいな感じで慣れないのだけど(一人称で自分のことだけど”あいつは男の中の男だ”って言っているみたいな)、逃亡生活のくだりは映画を思い出しながら読むと楽しさ倍増。あと、巻末の獄中日記が面白かった。そこでも日記なのに一人称なのに”あいつは凄い奴だ”的読み応え。日記における新しい語りの形式?